習慣が子どもを育む
10歳までの楽育〜第4章の1

降り続く雨が、豊かな恵みをもたらす。

〜「習慣が子どもを育む」


雨上がりの庭は、植物が元気に見えます。雨露に濡れた緑が美しく、みずみずしい生命感をあちこちに感じます。
植物は一度に水をやるよりも、少ない量を長い時間かけてたっぷり与えた方が成育によいと言われます。ゆっくりと水が土にしみ込むと、根が水分を吸収しやすくなるためです。

子どもにとって特別な体験は、素晴らしい思い出になります。
たとえば、夏休みに開かれる「サマーキャンプ」では、無人島の探検、自然の中でエコロジーに体験、プロのスポーツ選手の講習など充実したプログラムが提案されています。
子どもが自立する機会になればと考えて、参加を検討する親は多いそうです。
特別な体験は刺激的な内容に満ちており、貴重な体験と一生の思い出づくりができます。
しかし、子どもの意識は、一朝一夕に変えられるものではありません。
子どもに特別な経験を与えてやることも時には大切ですが、成長の糧は日々の積み重ねから得られるものです。

習慣とは、毎日のように繰り返し行なう事で自然に身につく行動です。
習慣はゆっくりと着実に人を育みます。
【楽育】では、子どものためになることを親が選び、習慣として生活の一部にします。
植物に肥料を与えるのは、時々で構いません。しかし、毎日の水やりは成育に欠かすことができないものです。
習慣は自らの意思で生み出すことができます。最初は継続して行なうために強い意志と努力が必要です。ところが、毎日のように行なっていれば、やがて日々の暮らしの中に溶け込みます。

私は子どものためになると思うことがあれば、まずは一緒にやってみることにしています。そして、よい反応が得られれば、それが習慣になるよう努力します。

わが家で子どもが誕生してからすぐに始めた習慣は、赤ちゃんへの「語りかけ」でした。おむつ替え、食事、沐浴の時はもちろん、何かのきっかけを見つけては赤ちゃんに微笑んで言葉をかけました。
赤ちゃんには分からなくても、言葉にすることで気持ちが伝わるように思いました。
また、少しでも広い世界を知って欲しくて、日に一度はベビーカーで外に連れ出して散歩を楽しみました。

子どもの生活習慣で問題とされるのは「食生活」「睡眠」「運動不足」「テレビの見過ぎ」などです。そこで、わが家では次のようなことを生活習慣の基本としています。

(1)「食生活」
食生活は子どもの体の健康を保つだけでなく、精神面でも重要であると言われます。
わが家では早起きをすることで、朝食をゆっくり食べられるように心がけています。
また、栄養のある食事が十分に摂れるように、間食を控えることを習慣にしています。3時のおやつのほかに子どもが食べるのは、平日は1日1個、休日は2個までのアメ玉という決まりをつくっています。スナック菓子などは食べる習慣がありません。

(2)「睡眠」
睡眠不足によって食欲の不振、集中力の低下、疲労などが起こります。わが家では夜の就寝時間を9時に決めて、時間になると家族みんながベッドに入って話をします。消灯時間を決めることで早寝早起きができるように心がけています。
大人は子どもが寝た後で、仕事をしたり自由な時間を過ごします。

(3)「運動」
運動不足は、基礎体力の低下や生活習慣病などの原因になります。わが家では大人の運動不足の解消も兼ねて、ラジオ体操やストレッチ体操、縄跳びなどを子どもと一緒にしています。また、親子で近所を散歩したり、プールに通うことを習慣にしています。

(4)テレビ
テレビは情報や知識を効率的に得られるという良い面もありますが、一方で子どもに相応しくない番組も多くあります。
わが家では、平日に子どもがテレビを見ることは、ほとんどありません。親がテレビをつけなければ、子どもだけで見ることがないからです。その代わりに日曜日には、テレビを見ながら食事をすることも容認しています。
平日の夜は、家族でカードゲームをして遊びます。これはコミュニケーションを楽しみながら、駆け引き、勝敗への意欲、集中力、思考力が身につくようにと始めたものです。

【楽育】では「親子が一緒に」ということを大切にしています。
子どもの習慣を考える時、まず親の生活を見直す必要があります。
子どもは親の生活習慣の中で育ち、親の行動をマネることで自らの習慣にします。

イギリスの詩人、ドライデンは言いました。
《はじめは人が習慣を作り、それから習慣が人を作る》

私たちが作る習慣が、静かに降り注ぐ雨のように、
子どもをより良く育むのです。



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