環境をつくる

10歳までの楽育〜第2章の1

土をつくることから始める。

〜「最適な環境を整える」


庭を作る時に、最初に行うことは、植物の成育に最適な土づくりです。
花壇や畑など肥えた土ができている場所ならば、新たに土をつくる必要はありません。
しかし、植物の成育条件が整っていない土地では、自分で土を耕して水はけや水持ちが良い土をつくります。
ここでは、しっかりと準備をしておかねばなりません。
なぜなら、固い土では植物が根を深く張ることができず、少し乾燥しただけで枯れてしまうからです。
よい土ができていない場所へ、花や木を植えても健全な成育は望めません。

【楽育】における土づくりとは、子どものために環境を整えることです。
いじめ、学級崩壊、不登校、暴力、虐待など、子どもたちは様々な問題を抱えています。
子どもを取り巻く環境には、学校(保育施設)、地域、家庭があると言われますが、これらの問題の根幹は、家庭環境によるところが大きいようです。

かつて《適切な環境と援助が与えられるならば子どもは自ら成長する存在である》として、世界中にその教育法を広めた人がいました。
イタリアのマリア・モンテッソーリです。
モンテッソーリは、19世紀に史上最初の女性医学博士となり、障害児の治療教育に携わった経験を活かして「モンテッソーリ教育法」を確立します。
そして、整えられた環境のもとで子どもの可能性を伸ばす手法は、世界中から注目されて教育界に大きな影響を与えました。

子どもが社会性や協調性を身につけ、自ら成長の芽を伸ばすには、家庭においても適切な環境を整えることが不可欠です。
そのためには両親が子どもにとって何が理想的な環境であるかを考え、共通の認識を持たつ必要があります。
そして、地道に土を耕すように、子どもたちの環境を理想に近づけていくのです。

【楽育】では、子どもの成長を促す環境を整えるために次のことを行ないます。

(1)時間をつくる
(2)場をつくる
(3)健康をつくる
(4)信頼関係をつくる
(5)機会をつくる

(1)時間をつくる
子どもが親に望むもの、そして子どものために本当に必要なのは親の時間です。親子で一緒に過ごす時間を増やすことが、心の豊かさを育てます。

(2)場をつくる
子どもが落ち着いた気持ちで過ごすことができる「安心の場づくり」と、集中して物事ができるように「興味の場づくり」を行ないます。

(3)健康をつくる
健康であることは生活の基本です。健全な食生活と早寝早起きの生活習慣により、心も体も安定した環境をつくります。

(4)信頼関係をつくる
親子の信頼関係を作ることは、愛情を伝えることから始めます。子どもが親の愛情をいつも感じていられるような家庭環境をつくります。

(5)機会をつくる
子どもにとって体験に勝る学習はありません。家の手伝いや外遊びなど、様々な体験を通じて成長できる機会を作ります。



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