10歳までの楽育〜第2章の5

朝の光が、大きく育てる。

〜「(3)健康をつくる 〜生活習慣から環境を考える」


植物の葉は太陽光の力を利用して根から水分を吸い上げて分解し、空気中の二酸化炭素を酸素と栄養分に変える「光合成」を行います。
植物には体内時計があり、太陽の日照時間や日差しの強さによって四季の変化を感じています。朝の光は、植物の成長に最もよい効果を与えます。朝顔は日没から約10時間後に開花することが分かっています。朝顔を昼間に暗いところへ置くと、体内時計のリズムが崩れて夜中に開花することもあるそうです。

人の生活においても昔から「早寝早起きの習慣」をつけて、生活のリズムを整えることが健康の基本と言われています。
文部科学省では「早寝早起き朝ごはん」の国民運動を推進しています。その背景には、夜遅くまで起きている子どもが増えており、健康や精神状態に悪影響を与えていることがあります。
早寝早起きはなぜ、子どもたちに必要なのでしょうか?
それは人にも体内時計があり、体温を調整したり生理現象をコントロールしているからです。夜型の生活でリズムが狂うと時差ボケのような状態になったり、うつや無気力になると言われています。
早起きをして朝の太陽光を浴びると体内の時計がリセットされ、脳が睡眠ホルモンの分泌をやめるので、すっきりとした気分になります。
早寝早起きをすることの利点には次のようなものがあります。
(1)前日の疲れをしっかり取り、活力を養うことができる。
(2)しっかり眠ることで成長に必要なホルモンが多く分泌される。
(3)早起きすることで、朝食をゆっくりと十分にとることができる。
文部科学省、国立教育政策研究所、東京都教育委員会、農林水産省などが生活習慣と学力に関する調査を行なっています。その結果はいづれも、毎日朝食をとる子は朝食をとらない子よりも学力が高い傾向があることでした。
また、文部科学省の「体力・運動能力調査報告書」では睡眠時間が長いほど、体力テストの結果が良いことが分かっています。

子どもが夜遅くまで起きている原因が、親の生活習慣による場合もあります。特に幼い子どもがいる家庭では、早めに眠りにつくための環境を整える必要があります。
赤ちゃんは、生後3カ月前後で昼と夜の違いが分かってきます。まだ、子どもが小さいから大丈夫だろうと思って、大人が夜型の生活を続けていると、赤ちゃんは体内時計のリズムを合わせることができません。そうなると、赤ちゃんがなかなか寝つけない、夜泣きが多くなる、夜中に何度も起きるなど不健全になります。

子どもが幼児期になると、軽い疲労や脳を休めることが睡眠に良い影響を及ぼします。公園や散歩などに出かけて昼間に軽い運動をしておくと、ほどよい疲れを感じて心地よい眠りにつきやすくなります。また、青空の下で思うままに体を動かすことは、家の中でたまったストレスを解消してくれます。
就寝時間が近くなると、子どもの脳を休めるように親が環境を作ることも大切です。
テレビを見たりゲームをした直後は、興奮して寝つけずに就寝時間を遅らせる原因になります。就寝前には明かりを落として、静かな環境を整えてやるのが大切です。
本を読み聞かせたり、1日の出来事を和やかに話すなどすると、子どもがリラックスして眠りにつけます。

理想の睡眠時間について、幼児では11時間前後、小学校低学年は10時間前後、小学校高学年では9時間半程度と言われています。
わが家では、子どもが生まれる前はずっと夜型の生活で、深夜まで仕事をしているのが普通でした。しかし、娘が小学生になってからは、子どもに合わせて朝型の生活習慣に変えました。
そのことで私の仕事にも良い影響がありました。創造的な仕事は集中力を必要とします。以前はぼんやりとした頭でもパソコンの前に座り、無理に作業をしていました。その結果、作業時間は長くなり、目が疲れて肩凝りに悩まされていました。一方で朝の時間にゆとりがあると、手順や目標をイメージしてから仕事に取り組むことができ、効率が良くなりました。

朝の光は、植物にも人間にも素晴らしい恵みをもたらします。
早起きで発見したこともありました。
それは、庭の植物の様子が昼間とはまるで違っていたことです。
冷たい空気の中、朝日を浴びて輝く花や木たちは
みずみずしい生命力に溢れていました。



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