子どものために、最適な環境を整える。

Filed Under (2-1.最適な育児環境) by 秋月 秀一 on 17-02-2010

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環境をつくる

第2章の1

土をつくることから始める。

〜「最適な環境を整える」


庭を作る時に、最初に行うことは、植物の成育に最適な土づくりです。
花壇や畑など肥えた土ができている場所ならば、新たに土をつくる必要はありません。
しかし、植物の成育条件が整っていない土地では、自分で土を耕して水はけや水持ちが良い土をつくります。
ここでは、しっかりと準備をしておかねばなりません。
なぜなら、固い土では植物が根を深く張ることができず、少し乾燥しただけで枯れてしまうからです。
よい土ができていない場所へ、花や木を植えても健全な成育は望めません。

【楽育】における土づくりとは、子どものために環境を整えることです。
いじめ、学級崩壊、不登校、暴力、虐待など、子どもたちは様々な問題を抱えています。
子どもを取り巻く環境には、学校(保育施設)、地域、家庭があると言われますが、これらの問題の根幹は、家庭環境によるところが大きいようです。

かつて《適切な環境と援助が与えられるならば子どもは自ら成長する存在である》として、世界中にその教育法を広めた人がいました。
イタリアのマリア・モンテッソーリです。
モンテッソーリは、19世紀に史上最初の女性医学博士となり、障害児の治療教育に携わった経験を活かして「モンテッソーリ教育法」を確立します。
そして、整えられた環境のもとで子どもの可能性を伸ばす手法は、世界中から注目されて教育界に大きな影響を与えました。

子どもが社会性や協調性を身につけ、自ら成長の芽を伸ばすには、家庭においても適切な環境を整えることが不可欠です。
そのためには両親が子どもにとって何が理想的な環境であるかを考え、共通の認識を持たつ必要があります。
そして、地道に土を耕すように、子どもたちの環境を理想に近づけていくのです。

【楽育】では、子どもの成長を促す環境を整えるために次のことを行ないます。

(1)時間をつくる
(2)場をつくる
(3)健康をつくる
(4)信頼関係をつくる
(5)機会をつくる

(1)時間をつくる
子どもが親に望むもの、そして子どものために本当に必要なのは親の時間です。親子で一緒に過ごす時間を増やすことが、心の豊かさを育てます。

(2)場をつくる
子どもが落ち着いた気持ちで過ごすことができる「安心の場づくり」と、集中して物事ができるように「興味の場づくり」を行ないます。

(3)健康をつくる
健康であることは生活の基本です。健全な食生活と早寝早起きの生活習慣により、心も体も安定した環境をつくります。

(4)信頼関係をつくる
親子の信頼関係を作ることは、愛情を伝えることから始めます。子どもが親の愛情をいつも感じていられるような家庭環境をつくります。

(5)機会をつくる
子どもにとって体験に勝る学習はありません。家の手伝いや外遊びなど、様々な体験を通じて成長できる機会を作ります。

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子どもとの時間をつくる。

Filed Under (2-2.時間をつくる) by 秋月 秀一 on 17-02-2010

第2章の2

時間をかけるほど、喜びは大きい。

〜「(1)時間をつくる」


ガーデニングには、2つの楽しみ方があります。
じっくりと時間をかけて花を楽しむ方法と、手軽に楽しむ方法です。
じっくりと時間をかけて楽しむ方法は、土づくりから始めて種をまき、植物を育てます。
手軽に花を楽しむ方法は、お店で花の苗や鉢花を買ってくるものです。種から育てるよりも苗を買った方が失敗がありません。また、つぼみをつけている鉢花を買ってくれば、すぐにでも花が咲き、水やりだけの手間で済みます。
どちらの場合も花を楽しむのは同じですが、最初から自分で手をかけて育てた方が喜びが大きいのは、なぜでしょうか?

【楽育】では、育児においても自分の時間をかけた分だけ、大きな喜びを収穫できると考えています。
また、子どもの心に豊かさと安定を求めるならば、親子で過ごす時間を短縮することはできません。

《私たちは子どもに何が残せるだろう。モノより思い出。》
これは平成11年に日産自動車が行なった広告キャンペーンのキャッチコピーです。
バブルの時代を経験した人ならば、きっと心に残った広告でしょう。
かつて「忙しいことは、素晴らしい」という考えを持つ人が多くいました。当時、忙しいことは仕事ができる人の代名詞であり、ステイタス・シンボルでした。
現在でも忙しさを演出することで自らの安心感を得ようとする人は、珍しくありません。
けれども「忙しい」の「忙」は、心(りっしんべん)を亡くすと書きます。
心がなくなった状態が、果たして豊かでしょうか?

私の知り合いに、子どもを遅くまで保育施設に預けている母親がいます。
朝早くから夜遅くまで懸命に働いて稼いだお金を、ピアノ、英会話、水泳、学習塾などの習い事に充てています。
その母親の口癖は「忙しい」と「子どものため」です。しかし、私はお金をかけることが、本当に子どものためになっているとは思えません。
親子の時間を十分に過ごさず、育児を外注されて育った子どもは「見たい、聞きたい、遊びたい」という子どもらしさが、欠けているように感じます。
土をよく耕して、全体を支える「根」をゆっくり育てる時期に、早く立派な花を咲かせることばかりを考えても上手くいくはずがありません。
私たちは今、子どものためにお金をかけるのではなく、たっぷりと自分の時間をかけるべきなのです。

育児にもっと多く時間をかけたいと思う人がいます。
忙しくて、いつも時間が足りないと感じる人がいます。
多くの人が時間をかけたいのに、時間が足りないというジレンマに陥っています。自分にとって本当に大切なものを考えて時間と付き合い、余分なものを捨てる覚悟がなければ、そのジレンマから抜け出すことはできません。

私の娘が誕生した時のことです。それまでは、借家を事務所に夫婦で印刷物のデザインやウェブサイトを運営する仕事をしていました。
そこで私たちは、子どもが誕生した後も家で仕事を続けるか、他でオフィスを借りて仕事をするかという選択を迫られました。
結局、私たちは家で仕事をしながら育児をすることを選びました。

最初は育児と仕事が両立できるのかが半信半疑でした。
最大の不安は「子どもがいる場所で、仕事に集中できるのか?」ということでした。
そこで、子どもが起きている時間は頭を使わずに行なえる作業を中心に、そして眠った後で考える仕事を行ように工夫しました。

家で仕事をすることを選んだおかげで、私は多くの時間を子どもと過ごすようになりました。そして、自ら子どもに様々なことを教えるのが生活の一部になりました。
子どもと一緒に何かをしていると、親子だからこそ分かることや共感することがあります。しかし、子どもと接していなければ、その素晴らしさに気づくことはないでしょう。

子どもが親に一番望むものは何だと思いますか?
それは、決してお金では買えません。

マスターカードには、世界97カ国以上に展開しているテレビCMがあります。
そのキャッチフレーズは《プライスレス》。
お金で買えない価値があることが表現されています。
もし、子どもたちに聞いたら、こう答えるかもしれません。

《プライスレス》・・・パパとママとの時間。

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子どもにふさわしい「場」をつくる。

Filed Under (2-3.場をつくる) by 秋月 秀一 on 17-02-2010

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第2章の3

植栽には、ふさわしい場所がある。

〜「(2)場をつくる」


植物を植栽するには、それにふさわしい場所があります。
日なたを好むものと日陰を好むもの、乾燥に強いものと弱いもの、暑さに強いもの、寒さに強いもの。
それぞれの植物の特性をよく知り、植える場所を考えます。
場合によっては新しい土を配合して、土壌改良を行なうケースもあります。
土を作ることは「場」をつくること。
「場」をつくることは、最適な環境を整えることです。

【楽育】が行なう「場づくり」には次の2つがあります。
(1)安心の場づくり
(2)興味の場づくり

「安心の場づくり」は、子どもが安心して幸せを実感できる環境を作ります。
たとえば、赤ちゃんを寝かしつける時に不安を和らげてやることができます。赤ちゃんはあたりが暗くなり、急に静かになると心細くなります。
そんな時には親が子守歌を歌ったり、優しく背中をさすってやると安心して落ち着きを取り戻します。

娘が通う保育園の運動会で「はしご渡り」の競技があった時のことです。娘は高くて狭いはしごの上を歩く事を恐れて、上に乗る事さえできませんでした。
そこで、私は自宅の倉庫からはしごをとり出し、まず地面の上に置いて自分がその上を歩いてみせました。それから、娘に同じことをさせた後で椅子を2つ用意してはしごをかけ、最初は下に落ちる練習をしました。何度も落ちる事で「落ちても大丈夫」という安心感を与えました。
そして「大丈夫だよ、やってごらん。落ちても何てことはないんだよ」と声をかけるだけで「はしご渡り」ができるようになりました。
親が安心の場を作ることで、子どもは勇気の一歩を踏み出せたのです。

「興味の場づくり」は、「おもしろそうだなぁ」「やってみたいなぁ」と子どもが思えるように、好奇心が育つ環境を親が作ります。
たとえば、子どもに本を読み聞かせる時は、まず絵本の表紙をよく見せて絵で関心を引きます。それを見て「どんなお話?」「怖いのかな?楽しいのかな?」と想像するのを促すことで、子どもの期待が高まります。

「興味の場づくり」で大事なのは、集中できるようにすることです。
現代では、テレビ、家電、車の音など、生活の中に音が溢れています。静かな時間は、私たちが意識して作る必要があります。
私は子どもの頃から「ながら族」でした。そして、今でも音楽を聴きながらエアロバイクで運動し、同時に本を読むのが日常です。仕事場でもBGMは欠かせません。それは単純な作業は心地よいリズムに乗ると生産性が上がるためです。
しかし、子どもは大人とは違うようです。音が出ていると、すぐにそちらへ注意が向いて集中力が切れてしまいます。
また、家電が発する機械の音は、気づかないうちに子どもにストレスを与えているようです。
それゆえ、わが家では子どもが生まれてから、それまでの大人の生活を見直す必要がありました。
まず、食事中に見ていたテレビを消しました。そして、家の中でいつも音楽が流れている状態をやめ、子どもの前では静寂を大切にするように意識しました。
「場」づくりのために、大人から子どものためのライフスタイルに変える必要があったのです。

子どもが安心できる環境を整えることは、子どもの心を落ち着かせること。
また、子どもが自ら感じて考える心を育むための豊かな大地となります。

《静けさや岩にしみいる蝉の声》
《古池や蛙飛び込む水の音》
かつて松尾芭蕉は、静寂とゆっくり流れる時間を楽しんでしました。

スピード社会に生きる私たちにも、それができるでしょうか?

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子どもの食生活と生活環境を考える。

Filed Under (2-4.食生活を考える) by 秋月 秀一 on 17-02-2010

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第2章の4

良い土とは、健康な土のこと。

〜「(3)健康をつくる 〜「食から生活環境を考える」


ガーデニングの基礎は、土づくりにあります。
植物が良好に育つためには、健康な土であることが条件です。
健康な土は栄養分や水を貯え、通気性と水はけが良く、有機物を多く含んでいます。
健康な土作りをすると、根がよく伸びて植物が丈夫に育ちます。
しかし、化学肥料や農薬に頼って安易に土作りを行なうと、病原菌を発生させたり、有益な微生物を殺して植物が病気にかかりやすい環境になります。

人にとって、健康であることは生活の基本です。
文部科学省の「平成20年度学校保健統計調査」によると、肥満傾向児の出現率は、男子では9歳から17歳で10パーセントを超えており、女子では12歳が9・8パーセントと最も高くなっています。
子どもの肥満は、高血圧症や高脂血症、糖尿病、脂肪肝などの生活習慣病の予備軍になる恐れがあります。また、筋肉や骨に過度の負担をかけて健全な成長を阻みます。
肥満という言葉には、食べ過ぎて太るというイメージがあります。しかし、現代の肥満は偏った食生活や栄養不足によって起こります。子どもが好きなソフトドリンクやスナック菓子、インスタント食品など高カロリー食品を多く摂ると栄養が偏ります。すると、お腹はいっぱいなのに脳がビタミンやミネラルの不足を感じて、常に空腹感を訴えるという悪循環が生まれるのです。
物が溢れる現代では、食物もまた溢れています。わが家ではスナック菓子を購入しないのに常にストックがあります。その理由は祖父母や友だち、いとこなどが家に遊びに来る際に持参してくれるためです。また、祭りや運動会などイベントに参加する度に、袋詰めされたお菓子をもらうことも、スナック菓子が増える一因になっています。

娘が5歳の頃、公園のジャングルジムで遊んでいた時のことです。
見知らぬ女の子たちが、スナック菓子を食べながら、自転車でやってきました。そして、娘に近づいて来るなり菓子袋を差し出して一言「食べて」と言いました。突然のことに戸惑う娘に、私が「やめておきなさい」と言うと、女の子は不思議そうに、娘は不満そうな顔をしました。
また、よその家に遊びに行くと、夕食の前でもジュースとお菓子を出していただくことがあります。このように現代の子どもは、いくらでも高カロリーで栄養の少ない食品を摂取する機会があります。
また、間食は習慣化しやすいと言われています。添加物の多い食品を摂り続ければ、いつか必ず体に害を招きます。親がどこかでストップをかけなければ、子どもの健康を守ることはできません。

子どもの健康のために、いま「食育」注目されています。
「食育」とは、子どもが食べることを通して、生きる力、素晴らしさを学ぶものです。財団法人 日本食生活協会によると、食育により5つの力を育てることで豊かな自然によって育まれる命の素晴らしさ、愛おしさを学びます。
(1)料理をする力(2)食べ物を選ぶ力(3)食べ物の命を感じる力
(4)食べ物の味が分かる力(5)元気なからだの分かる力
食べ物について調べたり、自分で野菜を育てたり、身近なことから考えることが「食育」の第一歩です。

わが家では、庭の一角に小さなキッチンガーデンを作りました。
栽培するのは、トマト、ピーマン、ネギ、青じそ、そして、スパゲティやピザと相性が良いバジルなどです。娘はトマトが苦手でしたが、庭から自分で収穫したものを口にした時には「甘くておいしい」と喜びます。

現代の野菜は、昔と比べて栄養価が少ないと言われています。見た目だけが美しく育てられ、中身が伴わない作物が増えているためです。知らないないうちに、健康な大地で時間をかけて作られる野菜が市場から減っています。
近年では調理済みの惣菜を購入して家庭で食べる「中食」が、すっかり定着しました。
また、レトルト食品、冷凍食品などで料理を簡単に済ませる家庭が増えています。
私たちは、食の素材にもっと敏感になるべきではないでしょうか?

私の仕事では、結婚式場で新郎新婦のプロフィールを紹介するための印刷物の制作をしています。結婚前のカップルに「相手に約束できることは何ですか?」と質問すると、多くの人がこう答えます。
『家族を守ることです』

家族を守るためにできることは、
毎日の暮らしの中にあります。

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子どもの健康をつくる生活習慣

Filed Under (2-5.生活習慣と育児) by 秋月 秀一 on 17-02-2010

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第2章の5

朝の光が、大きく育てる。

〜「(3)健康をつくる 〜生活習慣から環境を考える」


植物の葉は太陽光の力を利用して根から水分を吸い上げて分解し、空気中の二酸化炭素を酸素と栄養分に変える「光合成」を行います。
植物には体内時計があり、太陽の日照時間や日差しの強さによって四季の変化を感じています。朝の光は、植物の成長に最もよい効果を与えます。朝顔は日没から約10時間後に開花することが分かっています。朝顔を昼間に暗いところへ置くと、体内時計のリズムが崩れて夜中に開花することもあるそうです。

人の生活においても昔から「早寝早起きの習慣」をつけて、生活のリズムを整えることが健康の基本と言われています。
文部科学省では「早寝早起き朝ごはん」の国民運動を推進しています。その背景には、夜遅くまで起きている子どもが増えており、健康や精神状態に悪影響を与えていることがあります。
早寝早起きはなぜ、子どもたちに必要なのでしょうか?
それは人にも体内時計があり、体温を調整したり生理現象をコントロールしているからです。夜型の生活でリズムが狂うと時差ボケのような状態になったり、うつや無気力になると言われています。
早起きをして朝の太陽光を浴びると体内の時計がリセットされ、脳が睡眠ホルモンの分泌をやめるので、すっきりとした気分になります。
早寝早起きをすることの利点には次のようなものがあります。
(1)前日の疲れをしっかり取り、活力を養うことができる。
(2)しっかり眠ることで成長に必要なホルモンが多く分泌される。
(3)早起きすることで、朝食をゆっくりと十分にとることができる。
文部科学省、国立教育政策研究所、東京都教育委員会、農林水産省などが生活習慣と学力に関する調査を行なっています。その結果はいづれも、毎日朝食をとる子は朝食をとらない子よりも学力が高い傾向があることでした。
また、文部科学省の「体力・運動能力調査報告書」では睡眠時間が長いほど、体力テストの結果が良いことが分かっています。

子どもが夜遅くまで起きている原因が、親の生活習慣による場合もあります。特に幼い子どもがいる家庭では、早めに眠りにつくための環境を整える必要があります。
赤ちゃんは、生後3カ月前後で昼と夜の違いが分かってきます。まだ、子どもが小さいから大丈夫だろうと思って、大人が夜型の生活を続けていると、赤ちゃんは体内時計のリズムを合わせることができません。そうなると、赤ちゃんがなかなか寝つけない、夜泣きが多くなる、夜中に何度も起きるなど不健全になります。

子どもが幼児期になると、軽い疲労や脳を休めることが睡眠に良い影響を及ぼします。公園や散歩などに出かけて昼間に軽い運動をしておくと、ほどよい疲れを感じて心地よい眠りにつきやすくなります。また、青空の下で思うままに体を動かすことは、家の中でたまったストレスを解消してくれます。
就寝時間が近くなると、子どもの脳を休めるように親が環境を作ることも大切です。
テレビを見たりゲームをした直後は、興奮して寝つけずに就寝時間を遅らせる原因になります。就寝前には明かりを落として、静かな環境を整えてやるのが大切です。
本を読み聞かせたり、1日の出来事を和やかに話すなどすると、子どもがリラックスして眠りにつけます。

理想の睡眠時間について、幼児では11時間前後、小学校低学年は10時間前後、小学校高学年では9時間半程度と言われています。
わが家では、子どもが生まれる前はずっと夜型の生活で、深夜まで仕事をしているのが普通でした。しかし、娘が小学生になってからは、子どもに合わせて朝型の生活習慣に変えました。
そのことで私の仕事にも良い影響がありました。創造的な仕事は集中力を必要とします。以前はぼんやりとした頭でもパソコンの前に座り、無理に作業をしていました。その結果、作業時間は長くなり、目が疲れて肩凝りに悩まされていました。一方で朝の時間にゆとりがあると、手順や目標をイメージしてから仕事に取り組むことができ、効率が良くなりました。

朝の光は、植物にも人間にも素晴らしい恵みをもたらします。
早起きで発見したこともありました。
それは、庭の植物の様子が昼間とはまるで違っていたことです。
冷たい空気の中、朝日を浴びて輝く花や木たちは
みずみずしい生命力に溢れていました。

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子どもとの信頼関係をつくる。

Filed Under (2-6.親子の信頼関係) by 秋月 秀一 on 17-02-2010

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第2章の6

よい土は、水が吸い込まれるようにしみ込む。

〜(4)信頼関係をつくる

水はけがよく柔らかい土は、植物にとって理想的な環境です。
根をしっかりと張り、土壌の栄養分を十分に吸収することができます。
よい土に水をやると、瞬く間にしみ込みます。

私が子どもの頃に夢中になっていたボール遊びを、近所の子どもたちに教えて一緒に楽しもうとしたことがありました。しかし、ルールの説明を始めるとすぐに子どもたちの表情は曇り始めました。そして、話を始めたばかりなのに「分からない」「難しい」など否定的な反応がありました。
「そんなに難しくないから」と私が言うと「バカだから、分かんないよ」と突っぱねられてしまいました。
たとえ遊びであっても、難しそうなことに耳を貸そうとしない態度、自分には理解できないという思い込みは、現代の子どもにありがちな傾向です。
話を聞く事ができずイライラする子は、まるで水やりをしても土にしみ込まない「乾いた大地」のようです。

その時は実際にボール遊びをしながら、ルールの説明をしました。時間はかかりましたが、なんとか一緒に楽しめました。やってみると「なんだ簡単じゃん」と子どもたちから拍子抜けするような反応がありました。
後日、私から別の遊びを教える機会がありました。前回と同様に、子どもたちは説明を聞くのが面倒そうでしたが、いくらか態度は柔軟になりました。

子どもたちの姿勢に変化を感じたのは三回目でした。それまでの態度とは一変して、遊びに興味を持っているのは明らかでした。ルールを説明していると「それはこういうことなの?」と質問がありました。今度は水が、すーっと土にしみこむように内容を理解しました。
「この人は、自分たちが知らない面白い遊びを教えてくれる」「大人だけれど、一緒に遊ぶと面白い」という前回の経験から、子どもたちと私の間に信頼関係ができたのだと感じました。

家族の間でいつも意識しておきたいことが「信頼関係」です。
【楽育】では、親子の信頼関係のために、次のような環境をつくります。
(1)大人が子どもに嘘をつかない環境
(2)家族の愛情が伝わる環境

大人の嘘は、なんとなく雰囲気で子どもに伝わるものです。そこで大切なのは嘘をつく必要のない「場」を意識することです。
たとえば、わが家ではテレビで小さな子どもに見せたくないシーンがある番組は録画をしておき、親子で一緒に見ることはありません。また、子どもの前で大人が話をする時は、その内容に気を配ります。子どもが疑問を持ち、大人が嘘の回答をしなければならないような状況を作らないようにします。

子どもが相手であれば、その場しのぎでごまかしたり些細な嘘をついた方が楽なことがあります。
たとえば、子どもが「ジュースが欲しい」と言った時に「ジュースはない」と嘘をついて諦めさせる方が手間がかかりません。一方で「ジュースは、ダメ」と言えば、子どもが泣いたり騒いだりして面倒なことになります。
しかし、そこでは子どもを説得して諦めさせるように努力することが大切です。嘘をつかないことで子どもに我慢させることになりますが、それは長い目で考えれば本人のためになることだと思います。
大人が子どもに嘘をつくことで信頼関係は損なわれ、子どもの心に反感の種をまいてしまうのです。
親子の信頼関係が築かれていれば、子どもは親から叱られた時にも、それが自分のためであると理解できるようになります。
けれども、反感の芽が根づいた子どもは、親の言葉に聞く耳を持ちません。

家族の愛情が伝わる環境をつくることは、親子の信頼関係を築くことです。
家族が愛情を伝える家の子どもは、人の気持ちになって考えることができます。一方で家族からけなされたり、バカにされる家の子どもは、人を傷つけるようなことを平気で口にするようになります。
「自分のことを大事に思っている」と家族が感じられるようにするには、どうすればよいでしょうか?
私は愛情を言葉で子どもに伝えるように意識しています。
外国の映画やドラマでは、登場人物が家族に「I LOVE YOU」という言葉で愛情を伝えるシーンがよくあります。残念なことに私たち日本人は、言葉で愛情を伝える習慣がありません。また、急に愛情を伝えようとしてもうまくいきません。
しかし、赤ちゃんの頃から声をかけて愛情を表現していれば、素直な思いを伝えられるものです。
娘が保育園の時、ほかの子と同じようにボール遊びができなくて落ち込んでいたことがありました。
そこで娘に「ボール遊びができなくても、おまえは、パパの宝物だよ」と言って励ましてやりました。

それを聞いた娘は「宝物」という言葉を嬉しそうに繰り返し
その笑顔は本当に輝いて見えました。

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